腹式呼吸できていますか?


♪276 腹式呼吸と聞くと「おなかを膨らます」というイメージを持つ方が多いようです。息を吸い込んだ時に下腹が前に出ることで、「よし、おなかが前に膨らんでいるのだから息が入っている証拠だ。私は腹式呼吸ができている。」と思うようです。でも実は、「息を吸って下腹が前に出た=腹式呼吸ができている」かと言えば、必ずしも正しいとは言えません。例えば、息を吸い込んでいないのに、腹圧でおなかを前に押し出せば、腹式呼吸ができているかのように見えます。

また、「はい、おなかに空気を入れてー」という言葉もボイストレーニングでよく耳にしますが、これも実は誤りです。横隔膜やおなかに空気を入れる機能はなく、身体の構造上、吸った息は肺にしか入らないからです。ですから、腹式呼吸はおなかに空気を入れているわけではありませんし、力をかけて押し出すものでもありません。

では、腹式呼吸をするとなぜおなかが膨らむのか。その理由は、息を吸う際に横隔膜を引き下げることで、おなかの中の内臓が下に押し出されていくからです。また膨らむ場所は、おへそより上過ぎず下腹過ぎず、ウエストラインに近いエアーベルトと呼ばれるエリアが膨らむとベストです。

腹式呼吸を確かめてみよう!

腹式呼吸ができているかどうか、簡単に確認する方法を紹介しますので、是非ご自宅で試してみてくださいね。

1.フローリングなど固い床面に仰向けで寝ます。

2.おなかの上に、辞書など重いものを置きます。

3.息をゆっくりと鼻から吸い込んでみてください。おなかに載せたものが上がり、腹式呼吸を目で見て確認できます。ポイントは、おなかが上がることに加え、背中側のウエストラインも床面に向かって広がっていく感覚があれば、バッチリです。

寝た状態→座った状態→立った状態へ

次のステップとして、座った状態でも上記の腹式呼吸ができているか、そして立った状態でも同じ動きができているか確認しましょう。焦らずに、腹式呼吸がわからなくなったら、また仰向けに寝て確認した「腹式呼吸」を思い出してみてください。

横隔膜を引き下げる腹式呼吸を行うことで、発声時の身体の重心も下がり、おなかの支えを意識することと連動して喉の奥も下がりやすくなります。さらにトレーニングを続けると、おなかの前面だけではなく上記で述べたエアーベルトが360度膨らむようになります。それだけ息が入るようになると、横隔膜の引き下げを助ける発声のための背筋や腹筋も鍛えられていることでしょう。歌を始める最初の段階から、腹式呼吸と横隔膜の引き下げが十分かどうか、息を吸うごとに意識してみてください。腹式呼吸がもたらす効果は、歌う人にとって一石何鳥にもなり、結果として「良いことづくしのオマケ」がいくつも付いてきますよー。

次回は、ブレスコントロールについて紹介したいと思います。


ASAMI

投稿者: ASAMI

-Voice Trainer/Gospel Director- ゴスペル指導歴13年。亀渕友香&The Voices Of JapanにてGospel活動を始める。幕張ホテルニューオータニ、Four Seasons Hotelクリスマスディナーショー、表参道ヒルズなどに出演。NHK文化センター、産経学園等講師。好きな食べ物は、京都の和菓子。

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