忘れられた存在ではない


私は忘れられていない
神さまは私の名前を知っている

父親のない者にとっての父
友達のない者にとっての友
のぞみのない者にとってののぞみ
彼は私の名前を知っている

Israel Houghton. “Not Forgotten”. 2005.

 

ゴスペル・シンガーであるイズラエル・ホートンの”Not Forgotten(忘れられていない)”という曲は、「自分は、神さまに忘れられていないんだ」というシンプルで力強いメッセージの曲です。

イズラエルの母に訪れた女性

1971年、黒人の父と白人の母との間に作者イズラエル・ホートンは生まれました。1968年に黒人たちのリーダーであるマーティン・ルーサー・キング牧師が暗殺されるなど、当時はまだまだ人種差別のある時代でしたから、黒人の父と白人の母というのは、とても複雑な環境だったと想像します。しかも、イズラエルが母のお腹の中で8カ月になる頃、父と母は別れたため、子を産んで育てようとする母の不安は大きいものだったと思います。自分は母として相応しくない、そう思った彼女は、ドラッグにはまっていきます。

 

そんなある時、イズラエルの母の前に見知らぬ女性が現れて、こう語ります。

 

「私はあなたのことを知らないし、困らせるつもりはありません。しかし何かに駆られて、イエスがあなたを愛しているということを伝える必要があると、心から思わされたのです。You’re not forgotten(あなたは神に忘れられていません)。 全てはきっとうまくいきますよ。」

その言葉に心打たれたイズラエルの母は、人生を180度方向転換し、神に人生を捧げるようになります。

神と人=父と子

ゴスペルの世界において、神と人は「父と子」という関係で登場します。父は、子を決して忘れることなく、大きな愛情を持って見守っています。子は、その愛の中で父を見上げながら生きて行きます。「(父なる)神に忘れられていません」と語られたイズラエルの母は、不安や悲しみの中で、どれほど励まされたことでしょう。

この曲は、イズラエルだけでなく、そんな母の思いもぎっしり詰まった曲のように思えるのです。


NOBU

投稿者: NOBU

-Gospel Singer & Director- DEUT(デュート)株式会社代表取締役。都内音楽専門学校、YAMAHA、教会などにおいてVoice Trainer、Gospel Directorとして活動した後、日本全国にGOSPELがあふれる世の中を目指しDEUTを設立。日々GOSEPL指導とコンサートに奮闘中!好きな食べ物は、インドカレー、麻婆茄子など辛いもの全般。

「忘れられた存在ではない」への1件のフィードバック

  1. 改めて、歌詞の意味を見つめてみます。
    リズム、音程に支配され過ぎないように…

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